診療内容
難聴・補聴器
難聴とは
聞こえにくい状態を「難聴」といいます。
難聴にはさまざまな原因がありますが、特に「突発性難聴」は発症後1週間以内に治療を開始することが大切です。聞こえがいつもと違うと気がつい たら、1日でも早く耳鼻咽喉科を受診しましょう。
難聴は、聞こえにくい原因が耳のどの部位にあるかで、伝音性難聴、感音性難聴、混合性難聴の3つに分類されます。

伝音性難聴
外耳や中耳が正常に機能しなくなり音が伝わりにくくなる難聴です。
多くの場合、原因を改善することで難聴は治ります。
●伝音性難聴の原因となる代表的な病気
●耳垢が詰まっている
●外耳炎
●外耳道真菌症
●急性中耳炎
●滲出性中耳炎 など
感音性難聴
内耳やそ れより奥の中枢の神経系に障害がある場合に起こる難聴です。
感音性難聴は特定の音域が聞こえにくくなったり、複数の音を一度に聞いた時に特定の音を聞き分けたりすることが難しくなります。
●感音性難聴の原因となる代表的な病気
●突発性難聴
●騒音性難聴
●加齢性難聴
●低音障害型感音難聴
●メニエー ル病
●生まれつきの先天性難聴 など
混合性難聴
混合性難聴とは、伝音性難聴と感音性難聴の2つが合併した難聴です。
難聴の原因となる代表的な病気
突発性難聴
突発性難聴は、ある日突然、聞こえが悪くなる病気です。多くの場合、片耳だけに起こります。
聞こえにくさは人によって異なり、まったく聞こえなくなる人もいれば、高音だけが聞こえなくなる人もいます。
早期に治療を開始しないと聴力が落ちたまま固定されてしまうため、聴力を回復させるために、早期に治療を開始することが重要です。聞こえ方の変化を感じたら、発症後、できるだけ早く(1週間以内)に耳鼻咽喉科を受診しましょう。
●主な症状
-
聞こえにくい
-
耳がつまった感じ(耳閉感)
-
聞こえ方が左右で少し違う
-
音が響く
-
耳鳴り
-
めまい
-
吐き気 など
●治療
発症後、1週間以内に薬物療法を開始します。
薬物療法で改善がみられない場合や、難聴が高度な場合、めまいを伴う場合、ステロイド薬によって原疾患に影響を及ぼす糖尿病の方などは、入院をお勧めする場合があります。
低音障害型感音難聴
低音障害型感音難聴とは、文字通り、低音を聞きとる能力が阻害される難聴です。
明確な原因は分かっていませんが、内耳の内リンパ水腫(内耳がむくんでしまう状態)が原因ではないかと考えられています。
●主な症状
-
耳がつまった感じ(耳閉感)
-
低い音の耳鳴がする
-
自分の声が響く など
●治療
薬物療法を行います。
数日~数週で症状が改善することがほとんどですが、繰り返し発症することがあります。
加齢性難聴
加齢以外に特別な原因がない難聴を「加齢性難聴」といいます。
主な原因は、加齢によって、蝸牛の中にある有毛細胞がダメージを受け、その数が減少したり、聴毛が抜け落ちたりすることです。加齢性難聴は、音を電気信号に変える内耳の感覚細胞が年齢により減少していくために生じるといわれています。
聞こえづらさを感じたら 「齢のせい」と決めつけずに、まずは耳鼻咽喉科医に診てもらうことが大切です。
治療可能な難聴の可能性もあります。
●主な症状
-
聞こえにくい
-
耳鳴り
●治療
一度失われてしまった内耳の感覚細胞を再び元に戻す方法はありません。
しかし、補聴器を使うことで、生活に必要な音を聞き取れるようにすることは可能です。
補聴器
聞こえにくいと感じたら、補聴器を購入する前に耳鼻咽喉科を受診し、聴力検査等により補聴器が有効であるか確認しましょう。
自分自身や家族の判断で補聴器が必要か、効果があるかを正しく決めることはできません。聴覚検査の結果と日常の音の環境とそれぞれの人にとって重要な会話の関係から総合的に判断することが必要です。

補聴器相談の流れ
1. 耳鼻咽喉科医の診察
聴力検査を行い、難聴の診断を行います。
難聴にはさまざまな原因があるため、補聴器が有効かどうかを確認します。
補聴器が有効である場合は、当クリニックと提携している補聴器販売店をご紹介いたします。
その際に、紹介状をお渡しします。
2.補聴器販売店に相談
補聴器を一人ひとりの聞こえ方や、使用する目的に合わせて調整(フィッティング)いたします。
フィッティング後、約2週間程で補聴器が納品されます。
3.経過観察・アフターケア
聞こえに変化が生じたら耳鼻咽喉科を受診しましょう。
補聴器購入後も補聴器販売店と連携し経過観察と適切な使い方の指導をします。
また、補聴器は定期的なアフターケアを受けることで安心して使い続けることができます。