診療内容
めまい
めまいとは
めまいの原因として多いのが「耳」の異常です。
耳の奥の「内耳」に、半規管・耳石器という平衡感覚をコントロールしている場所があり、そこになんらか異常が起こることでめまいが生じることがあります。
耳が原因のめまいでは「意識がはっきりとあり、目がグルグルまわる」のような「回転性のめまい」があらわれることが多いです。このようなめまいは耳鼻咽喉科へご相談ください。
●緊急性が高い「脳の病気」が原因のめまい
脳の病気(脳梗塞、脳出血など)の初期症状としてめまいが起こることもあります。
脳が原因のめまいでは「意識がぼんやりして、ふらふらと浮遊感があるめまい」を感じることが多いとされています。
激しい頭痛・手足のしびれ・麻痺、しゃべりづらさ、飲み込みづらさ・意識障害などを伴う場合には、命に関わる場合もあるため、救急車を呼ぶか、お近くの救急医療機関へ直接ご相談下さい。
めまいの検査
問診
●いつ(上を向いた時、横になった時、歩いている時、など)
●どのようなめまいが起こり(ぐるぐる回った、ふわふわした、など)
●どのように経過したか(数分で治まった、数日間もぐるぐる回った、など)
●めまい以外の他の症状(耳鳴り、難聴、頭痛、体のしびれや麻痺、物が二重に見えた、など)
などを確認いたします。
眼振検査
めまいの患者さんの眼は非常に特徴的な動きをします。
当院ではCCDカメラ付きの検査機器を導入しておりますので、モニターに眼球の動きを拡大して映し出し、詳細に観察することが可能です。
眼振の向きや性状によってめまいの原因をつきとめていきます。
重心動揺検査
体のふらつき度合いを調べる検査です。
水平な台の上にまっすぐに乗っていただき、目を開けた状態で60秒間、その後目を閉じた状態で60秒間立っていただき、重心の動揺を記録し、自動解析を行います。
検査中ふらついて倒れないよう、当スタッフが必ず横についておりますので、検査は安全に施行可能です。
聴力検査
めまいには聞こえの悪さや耳の詰まる感じが伴う場合があります。自覚症状として難聴がなくても、会話領域以外の周波数の聴力低下を起こしていることもあります。
特にメニエール病の確定診断には聴力検査は必要な検査です。
めまいの原因となる代表的な病気
良性発作性頭位めまい症
めまいのうち、一番多い疾患とされるのが良性発作性頭位めまい症です。
安静にしていると治まりますが、動くとまためまいが起きます。
耳の奥にある、平衡器官である三半規管(回転加速度を感知)の中に粒子(耳石の破片など)が迷入したためという説が有力です。
●主な症状
寝返りをうった時、頭を下に向けた時などの頭の位置の変化により出現するめまいです。
目がグルグルと回り、吐き気を伴います。
難聴や耳鳴りは伴いません。
●治療
薬物療法と体操を行うことで、比較的治りやすいめまいです。
メニエール病
メニエール病は、疲労、心身のストレス、睡眠不足などの状態の人に起こりやすい傾向にありますが、原因が特定されておらず、内耳の内リンパ水腫(内耳がむくんでしまう状態)が関係していると考えられています。
内リンパ水腫がひどくなると、めまい、難聴が起こってきます。
●主な症状
ぐるぐる回るようなめまい、耳鳴り、難聴、耳のつまり(耳閉感)の4症状が同時に起こる「めまい発作」が特徴です。
めまいの発作は数分で治まることもあれば、数時間続くこともあります。
●治療
薬物療法を行います。
メニエール病は繰り返すことが多いため、めまい、難聴がひどくなる前にしっかりとした治療、経過観察が大切です。
突発性難聴
突発性難聴は、明らかな原因もないのにある日突然、聞こえが悪くなる病気です。
難聴、耳鳴り、耳閉感が起こり、めまいを伴う場合があります。
メニエール病によく似ていますが、1回きりの病気です。
原因ははっきりしていませんが、内耳の血流障害やウィルス感染などが原因ではないかと考えられています。
●主な症状
突然の難聴、耳鳴り、耳閉感
めまいを伴う場合があります。
●治療
薬物療法を行います。
早く治療するほど聴力が回復する可能性が高いので、早期の受診が大切です。
前庭神経炎
内耳の奥にある平衡感覚を保つ前庭神経の炎症により、めまいが突然起こる病気です。
めまいの中では最も治るのに時間がかかる疾患です。
●主な症状
突然、回転性のめまいが起こり、吐き気や嘔吐を伴います。
他のめまいに比べてめまいの持続時間が長く、数日~1週間程続くこともあります。
難聴や耳鳴りは伴いません。
●治療
薬物療法を行います。
めまいが激しく日常生活が困難な場合は、連携医療機関に紹介し入院治療を行う場合もあります。